3編からなる。
表題作の『幸福な遊戯』に『無愁天使』『銭湯』
少し不幸で情けなくて、でもどこかかわいらしい。
そんな女性たちの物語。
角田さんのデビュー作だった。
描ける人というのはいるものだ。
ただ文字を書いているだけなのに、情景を、感情を描き出すのがうまい。
設定はとんでもなくても、感情の描写がとてもリアルで容赦がない。
3編の中では『銭湯』が好きだ。
そして、少し心が痛む。
銭湯に来る、いろんな人生を背負った女たち。
人生『こんなもん』と思いつつも、
現状を受け入れることも打破することもできず、宙ぶらりんな主人公。
それはとてもリアルで、誰もが思い当たる節があるだろう。
幸福な遊戯
角田 光代
角川書店 2003-11
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