歌人としてエッセイストとして活躍していた著者が、初めて小説を書く。
不安定な響きとバランスを感じるタイトル。
それだけでこの作品は、
小説に必要な『吸引力』のようなものを、すでに持っていたと思う。
ストーリーはいってみればありがち。
穏やかな年上の彼との不倫関係。
刺激をくれる年下の彼との恋愛。
この人は、サラダ記念日やチョコレート革命の時もそうだったように、
自らを投影して書く。小説もまた然りか。
作品は、歌と同様リズム感があり読みやすく、柔らかい文章はとてもいい。
だが、やはりこの人は歌人なんだと思う。
言葉の選び方やつなぎ方、空気感はさすが。
しかし小説もいいが歌を詠んで欲しい。
かえってそう思った。
トリアングル
俵 万智
中央公論新社 2006-09
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一気に読みました
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