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きまぐれな雨

めまぐるしいレースだった。
スタート直前から直後の短い間に降った豪雨とレース終了間際の雨。
これに伴うタイヤ選択。
これらが非常に大きなポイントとなった。
予選のグリッドは、すぐにあってないようなものになってしまった。
アドバンテージはといえば、スタート直後の混乱に巻き込まれるか否かのみで(これも大きいが)
あとはもう、雨・雨・雨。
いかに早く雨用(強い雨用)タイヤに履き替え、コースアウトしないでいられるか。
あっという間にコース上が川になるような、そんな雨だった。
あまりのことに、赤旗(=中断)がでるまで4周回ほど。
この間リタイヤした車は5台ほどか。
ハミルトンもコースアウトし、初リタイヤ確実と思われたが、
何故かクレーンで車ごと持ち上げられ、そのままコースに戻っていった。
あれは一体?
未だに釈然としない。『マーシャルの手』なのか?あれも?
とにかくその後、嘘のように雨は上がり一転晴れ。
しばらくするとまた雨、との天気予報が出ながらも、
セイフティーカー先導によるローリングスタートでレースは再開される。
ここでのラップリーダーはなんとスパイカーの初出場母国GPのヴィンケルホック。
ピットからレインタイヤでスタートしたことが功を奏した。
しかし周回を重ねるにつれ、徐々に本来の順位に戻りレースは安定していくが、
終了間際の雨に、またレースは動いた。
ずっと2位を走っていたアロンソが1位のマッサに猛攻をしかける。
ついには車を接触させながらのオーバーテイク。
優勝をもぎ獲った。
現在ポイントリーダーのハミルトンが9位=ノーポイントに終わったこのレース。
この優勝は大きな意味を持つ。
そのせいだろう、アロンソの喜びようは近年見ないほどだった。
スーパーアグリの佐藤琢磨はスタートをきめ、16位から10位までグリッドを上げるも雨で台無し。
1ストップでもいける?ほどの重い燃料を積んで頑張っていたようだが、
油圧系のトラブルでついにはリタイヤせざるを得なくなった。
残念、次こそ。
とにかく最初から最後まで、の盛りだくさんなレースとなった。

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